ごーぐる部、ついに
VDMXの記事を書きます。
VDMXについてはいろんな方の記事がネット上に結構あるので、私がわざわざ記事を落とすこともないくらいなのも正直なところです。
ですが割と私も人に操作説明する時があったり、つまづいたところも多かったので初手の記事を私の方でも書こうかと思います。
詳しいことや複雑な構成を組みたい場合は他の方の記事を読んでいただければと思います。
www.tumblr.com
saikuro0526.hatenablog.com
note.com
とはいえ、VDMXがいろんな面でシェアが上がりそうな予感もあり、Virtual DJで好評だった記事と同様のベクトルでこの記事を書くに至りました。
基本的なアニクラVJの考え方とかは以下の記事も参照してください。
ino2408m-pinv.hatenadiary.jp
序論
(操作を知りたい方は読み飛ばしてOK)
さて、序論となぜ今更になってVDMXの記事を書くに至ったかから。
・円安でVirtualDJが高い
・VDMX6が99ドルになっちゃった・・・(元は349ドル)
→今は199ドル。

しかもこれが永年、かつ3ライセンス(ライセンスの複数人仕様は規約違反なので個人でのインストールの範囲になりますが)の値段です。
今円安ドル高も続いてて1ドルが2025年時点で145円。
このレートで計算するとVirtualDJは299ドルで4万円を超えます。
VDMX6は199ドル。全然VDJより安いです。
しかも学割があり、学生さんは25ドル程度の割引をうけられます。
つまり・・・MacbookでアニクラVJをするにあたってVDMXが相対的に安くVJを始められる世界になったといえます。
そして、DJ用のPCとしてはMacbookのシェアが高く、DJ用のPCをそのまま転用するのであればMacbook×VDMXでアニクラ領域のVJをすることが今後選択肢として強くなってくると考えられるのです。
(DJで使う場合はMacbook一択という流派の人もいますし)
また、近年のM1シリーズ以降の機種はグラフィック処理性能も強くM1のMacbookAirでもVDMXは(複雑なプロジェクトじゃなければ)割と動きます。
まとめると
・PCがそのまま転用できる人が多い
・ソフトが比較的安く高機能
という理由でMacbookでVJを始めたいという人には(難しさはあるものの)VDMXを個人的にお勧めしています。
VirtualDJはどうなんですか?っていうとMac版の方が安定して動きますが、プラグインや補助ソフトの関係上Windowsでしかできないことも多い&VDMXでVirtualDJ+Resolumeの機能をこなせるので結局VDMXがトータルで安いんじゃないかなと思います。
VDMXの特徴
・Mac限定
・カスタマイズ性が非常に高い(ゆえに難しい)
・対応している動画がそれなりに多い(Resolumeよりは多くGrandVJよりは少ないくらい)
といったところです。
アニクラVJ領域・PVMV出し領域に関しては
・1秒単位の前後飛ばし使える
・画面キャプチャ使える
点が強いかなと思います。特にOBS Studioを介さなくても画面キャプチャができるので、ブラウザ系ツールや各種アプリなども応用しやすいかと思います。
インストールとVer確認
公式サイトからインストールします。

www.vidvox.net
6PlusはTouchDesignerとVuoとの連携ができますがアニクラ領域やこの2つのソフトをそもそも知らないならPlusでなくても大丈夫かと思います。
注意点として今回安くなったのはVDMX6なのですがこのVDMX6はMacOS12.2以降にしか対応していません。
もし6を使用したければOSをあらかじめアップデートしておくといいかと思います。
とりあえず起動して2素材を切り替えるまで
このへんまでは各種ブログ・note・YouTube等でも定番ではあるのですが当ブログでも説明しておきます。(VDMX5の画面にて失礼しますがVDMX6でも同様と思われます)
まずVDMXを起動するとなんやら分からない画面になってこれで映像合成できるんですか、Resolume使ってる人にとっては「Layerってどこ?」VirtualDJ使ってる人には「デッキどこ?」はじめていじる人にとっては「映像入れるところも表示するところもないんだけど何これ」ってなり道のり長そう...
ってなります。

一応解説しとくと、VDMX自体クラブVJから照明さん、アニクラVJなどいろんな人が使う向けに無限にカスタマイズできる仕様でして自由に構成を組むことができ、そのためのテンプレートみたいなのがいくつか存在しています。
それをベースにいろいろやっていく感じなので、テンプレートを読み込まないと何が何だかわからない感じになってます。
今回は音楽に対して決まった映像を当てるタイプのプレイを想定しているので、SimpleMixer(2素材単純合成に使うテンプレート)で説明します。
1.上のTemplatesよりSimple Mixerを選択。
下のような画面になります。


一応2素材を合成するだけなら、
下真ん中の「Left Composition」って書いてあるところのタブをPreviewにすればすぐにでも可能です。

この状態でLeft Deck、Right Deckに動画を入れれば、映像を止めることなく切り替え可能です。これで一応はアニクラVJができるようにはなりました。
完
いくらなんでも使いにくい...
とはいえ、今の時点でかなり問題点が多く、
・左右それぞれのプレビューが見れないし聞けない
・プレビューがもっさりしている
・速度を合わせるのを全てマウスでやらなくちゃいけない
などこのままでは正直、使いにくすぎます。
なので、簡単にできる範囲でのカスタマイズをちょっとご紹介
左右のプレビューを出す
Previewを出すには、WorkSpaceManagerというものを使います。
難しく見えて実際難しいのですが、例えるなら道具箱みたいなもので必要なパーツを出し入れできる感じになっていると思ってもらえるといいかと思います。
この道具を管理するのがこのWorkSpaceManagerのPluginsというところです。
まず、上からWorkSpaceManagerを開きます。

この画面の左下の+マークからPreviewを2つ追加します。



今ほしいのはRightとLeftのPreviewなので、真ん中の▼マークからLeft/Rightを選択。

あとはこれをいい感じのところに配置します。とりあえず元のLeft FX/Right FXがあるところに配置してみるとそれっぽいんじゃないかな?と思います

あとこのPreviewの左の10とか30の数字書いてあるところがPreviewのFPS(1秒間のフレーム数)になります。

これをあげるとレイヤー増やしたときには負荷上がりますが、10だとカクカクでわかりにくいのでMain OutPutのプレビューのフレーム数も30にしとくといいかと思います。
Preview等の配置はドラッグアンドドロップで動かせるので、見やすい位置においてみてください。
以下が上に置いてみた例です。

クロスフェーダーの設定
クロスフェーダーの設定もWorkSpaceManagerから行えます。
Plugins→mixerで該当の設定が出てきます。

アニクラ領域で関係する設定としては以下のものがあります。
・音量のクロスフェーダーの連携を切る
デフォルトの設定だと映像の濃さ(不透明度)に合わせて音が連動してしまいます。
このままだと次の映像の頭出しをイヤホン等で聴いて行うことができません。
これを防ぐためには、「Fade audio,too?」のチェックを外せばOKです。

・クロスフェーダーの動作等の設定
「Fade Duration」はMixerのFade L/R ボタンの移行時間を設定するところです。
キーボードやボタンで切り替え操作をしたい人はしっくりくる値に設定しておくといいでしょう。


その下のカーブは左右の映像をフェーダーを途中で止めた場合どのくらい出すかをコントロールするところです。
基本設定でいいとは思いますが、リミックスなどで汎用素材を混ぜたいとか切り替えのときに映像が先バレしてしまう・・・といったときにちょっと調整してみるといいかもしれません。

速度調整
VDMXの初期設定のちょっといやらしい仕様で、動画の再生速度のデフォルト範囲が
-5.0倍~5.0倍
となっています。
MIDIコンのツマミにアサインしようものなら
・真ん中に合わせると映像が止まる
・半分より左にツマミやフェーダーを振ると映像が巻き戻る
・微調整が非常にしづらい
とさまざまな問題が起こります。

アニクラVJではわざと凝ってタイムリープとかリワインドの演出する場合を除いて逆再生はめったに使わないので、ここのRateについては使いやすいように調整しておく必要があります。その手順を説明します。
1.デッキに動画を読み込む。「〇〇〇 Src」というウィンドウが自動で出ます。

2.上のWindowからUI Inspectorをクリックし、各レイヤーのRateをクリック。



3.MinとMaxの値を両方が正の値、かつ中央が1.0になるよう設定する。

Min 0.4~Max 1.6
Min 0.5~Max 1.5
などお好みで。一応非対称でもツマミが真ん中にあるときに1.0にすることは可能ですが、とりあえずはわかりやすい感じにしました。

これを両側ともやっておけば速度に関してはツマミ等で制御しやすくなるかと思います。
再生位置調整:ジャンプ
再生位置調整で任意の単位でBeatJumpみたいなことができます。
例えば下の画面だと1秒単位でボタンをおすごとに送り/戻しができます。
FrameやBeatなどいろんな単位がありますが、Beatに関してはClockといってBPM同期機能関連が入っていないと動きません。
基本的に単位はSecかFrameでいい気はします。

この送り/戻しボタンをキーボードやMIDIコンにアサインするとおおまかな調整がしやすく便利かと思います。
キーボードおよびMIDIコンのマッピングをするときは、上部から「Hardware Learn Toggle」を選ぶか、
操作を振りたい場所を右クリックして「Detect All」等を押せばいけます。


青になった状態で動作を振りたいMIDIコンのボタンやキーボードなどを押せばOKです。
MIDIコンの動作を振っておくと便利なところは以下の通り。

1→再生停止
2→再生速度
3→ミュート(各デッキを聞くとき)
4→ジャンプ
5→左右切り替え(ツマミやフェーダーで左右切り替えるならフェーダーのほうに、ボタンで切り替えるならFade L/Rのほうにアサイン)
あとは例えば逃げる汎用素材が決まっている場合なんかもマッピングしておくと便利かと思います。
ちなみにですがVDMXの場合ControlSurfaceというものがあり仮想MIDIコンを作ることも可能です。
上記の速度調整をマウスで細かく行いたいとかであれば有効な手段かなと思っています。以下の記事が詳しいかと思います。
saikuro0526.hatenablog.com
note.com
MIDIコンについて
VDMXの場合、割とマウスやキーボードでもある程度のことができてしまうので、歴の長いVJさんでもNanoKontrol2 1台でプレイしている光景をよく見かけます。

https://www.soundhouse.co.jp/products/detail/item/162229/?srsltid=AfmBOopIf41zyxHOEsEPXWs7oexXBknvKiFNDqZrrA2l5N-n7RGGaJHW
(今は10000円近くなってしまいましたが、5000円くらいで買えるようになるといいな・・・)
速度調整にノブ(つまみ)、BPMタップや再生停止にボタン、切り替えにフェーダーかノブを使うことになるので、それらがついているコントローラーならなんでもOKです。
本格的にやりたくなったとなれば上位のコントローラーを買うのも手ですが、Macbookの小ささを活かしてミニマリスト的な構成を組むのもいいんじゃないかなと思っています。とりあえず最初のお供としてはフェーダーもツマミもボタンもあるナノコンがおすすめです。
プラッター(お皿)がついたコントローラーはおそらくDJソフト以外だとマッピングがうまくいかないのでおすすめしません。
また、もし別目的でTraktor Kontrol Z1やMixtourなどをお持ちであれば、EQの部分が細かいパラメータ調整にも使えるので、割といいかもしれません。
特に速度調整の部分でControl Surfaceを実装したりキーボードマッピングで工夫したりが難しい印象があり、初心者にとってキーボードマウスだけの運用はVirtualDJよりはキツいと思います。
なにかしらツマミもしくはフェーダーのついたコントローラーを一つ以上準備しておくことをおすすめします。
投影について
投影についてのことを忘れていました。
まず、最近の機種は13-14inchのMacbookだとそもそもHDMI端子がなく、Type-cから映像を投影することになります。
そのための変換器が必要です。
Apple純正のそういった機器もありますが1万円近くといい値段しますので、他のメーカーのを使っている人が多い気がします。
「Type-C USB HDMI変換」「Type-c ハブ」と調べるとType-Cに繋いでHDMIとUSB機器が両方使えるようになる機器が見つかると思います。その中からお好みで。
Type-CからHDMIに直接変換する機器もありますが、MacbookAirなどだとそもそもType-Cポートが2個しかなく電源もType-Cから供給するため、おそらくポートが足りなくなります。
・電源供給ができる
・HDMI出力ができる
・USB-TypeAが複数挿せる
ような変換器を用意しておくといいかと思います。

Anker 332 USB-C ハブ (5-in-1)www.ankerjapan.com
プロジェクター・モニターもしくは映像ミキサーにPCを接続したら、
Windowsと同様に複製モード/拡張モードの切り替えを行います。
Macbookの場合は、左上のリンゴマーク→システム環境設定→ディスプレイ
に該当の設定があります。


これで「ディスプレイをミラーリング」のチェックを外して2枚ディスプレイが表示されてる状態になればOKです。

VDMXからの投影ですが、Window→Full Screen Options
でどの画面に映像をフルスクリーンで投影するかを決定できます。

Display 1にチェックします。
アニクラ等で左右が切れてる動画やShortなどで動画が横に広がってしまうことがあるため、下の設定は「Fit」がおすすめです。

検索ソフトについて
検索ソフトとしてMacの場合everythingが使えないのですが、標準検索であるFinderでもWindowsのエクスプローラーに比べれば全然早いので、それでもOKと思います。

ちょっと応用の記事
Virtual DJとの連携・P in P/YouTube-VJ等の使用も可能です
VirtualDJとの連携は記事執筆中。
NDIで使うことになるので以下の記事が役に立つかもです。
ino2408m-pinv.hatenadiary.jp
YouTube-VJの使い方は以下の記事を参照ください。
ino2408m-pinv.hatenadiary.jp
結語
他の解説サイトでは割といろんな情報があるので今回はアニクラに特化して記事をまとめてみました。
VDMXは設定が保存できないだけで無料版でもある程度のことができるので、VJに興味あるMacbookユーザーは触ってみてもいいかなと考えています。
本格的に使いたいとなればLayerや各種構造をしっかり理解した方がいいとは思いますが、この記事の内容だけである程度はアニクラVJにも対応できるんじゃないかな?と考えています。
応用的なことは他の方がまとめてくださってますので、本格的クラブ表現とかを追求する方はぜひそちらも見てみてください。