2023年の暮れですが、SSSVJToolやSynapserackでおなじみのSainaさんがYouTube To Spoutというツールを開発しました。
これを使うと以前noteの方で紹介したOBS StudioでYouTubeを貼る方法に比べさらに簡便にYouTubeをVJで活用できるようになりました。
※YouTubeをVJとして取り込む方法についてはそれぞれの動画の利用規約を確認したうえで個人の責任でご利用ください。
そのときの記事はこちらです。
おそらく普段からVirtualDJ+Resolumeで使ってる人とかならSpoutの導入もされてるかと思うのですが、そうじゃない人もいると思うのでこの記事を見るだけでどうにかなるようにはしたいと思います。
ちなみに今回の記事を応用するとおなじくSainaさんのソフトであるSSSVJToolもVirtualDJに飛ばすことが可能です。これを使うとPCのスペック次第ですが動画素材を組み合わせたクラブっぽいVJとVirtualDJでのVJ(ポン出し)を行き来したりも可能で、GrandVJやResolumeがなくても安価でいろんな表現ができるようになります。
必要なソフト/プラグイン
・VirtualDJ
・YouTube to Spout
・SpoutVDJ
・Spout 2(設定ツールのみ使うことがあります)
以上のツールをダウンロードし、VirtualDJとYouTube to Spoutはインストールまで済ませてください。
各ソフトの設定
①Spout VDJの導入
解凍したSpoutVDJ内のx64内に「SpoutReceiver.dll」「SpoutSender.dll」があるのでそれをコピーし、
マイドキュメント内「VirtualDJ」→「Plugins64」→「VideoEffect」
にペーストしてください。(「VirtualDJ」フォルダ内には「Plugins」フォルダがあることもあるので間違えないように!「Plugins『64』」です)
②Spout Settings
ゲーミングノート等の場合はこの設定が必要です(統合グラフィック、ゲーミングじゃないPCならしなくてもOK)
DLしたSpoutのフォルダより「SPOUTSETTINGS」→「SpoutSettings.exe」を開きます。
Oputimus global Processorの「High performance」(ようはGPUでの処理)、「Integrated」(統合グラフィック)をVirtualDJと合わせてください。
(わからないって方はVirtualDJでSpout使おうとしてメッセージ出たら違う方にすればOKです。)
③YouTube to Spoutを起動し、適当に動画のURLを読む。
YouTube to Spoutを起動し、適当にURLを読みます。
YouTubeのアドレスバー、もしくはサムネイル右クリックし、URLをクリップボードにコピーします。
この状態でYouTube to Spoutの「Paste」で貼り付けると読んでくれます。
このソフトは起動するだけでSpoutを飛ばしてくれる(つまり他のVJソフトで拾える状態にしてくれる)ので、YouTube to Spoutでの設定は以降必要ありません。
また、次の動画を準備するために2つ以上YouTube to Spoutを起動するのも可能です。
④VirtualDJを起動し、SpoutReceiverをOnにする
VirtualDJを起動し、SpourReceiverをOnにします。MasterDeckに入れてもいいですし、各Deckに入れても大丈夫です。
「VideoEffect」のところにあります。
2Deck以上使いたいときは各デッキの「SpoutReceiver」の詳細設定からソースを選択できます。
SpoutReceiverの右の歯車マークをクリックすると右にSenderを選ぶところができるので、そちらでSenderを指定します。
おそらく「◯youtube-spout」というものが出てきてると思うので、そちらを選択して画面の配置とVirtualDJを合わせるようにしてください。
⑤ショートカットを設定する
キーボードでもMIDIコンでもいいですがワンボタンで発動できるようショートカットを作るとたいへん便利です。
お好きなキーもしくはMIDIコンのボタンに「deck ◯ effect_active 'SPOUTRECEIVER'」を設定すると一瞬でYouTube to SpoutをON/OFFにできます。
以下、文例です。
「deck 1 effect_active 'SPOUTRECEIVER'」
「deck 2 effect_active 'SPOUTRECEIVER'」
「deck 3 effect_active 'SPOUTRECEIVER'」
「deck 4 effect_active 'SPOUTRECEIVER'」
「deck master effect_active 'SPOUTRECEIVER'」
あと便利な機能としてONINITの部分に
「deck ◯ effect_show_gui 'SPOUTRECEIVER'」
を入れると起動時にSPOUTSENDERの設定画面が出るので大変便利です。
※どうやらデッキごとのSenderはショートカットキーでは設定できないっぽいので、毎回設定する必要があるみたいです。また、切り替えの間には待ち時間(ウェイト)がないため、カットイン的に映像が切り替わります。
これでシステムは完成です。
実際のプレイについて
ワークフロー的には「HDD等からEverythingで映像を探す」→あればVirtualDJに動画を読み込ませてSpoutReceiverを切る
なかったり専門のジャンルじゃなければ「YouTubeから動画を探してURLをYouTube to Spoutに貼り付けてSpoutReceiverをON」になるかと思います。
OBS P in p キャプチャとの違いについて
OBS P in Pキャプチャとの違いはいろいろあってどちらの方法にも利点欠点があります。
簡便だったり、複数ブラウザを立ち上げなくても使えるYouTube to Spoutか、クリックしてShift+Nで即座に動画を出せるP in Pはどちらがいいかは好みが分かれると思います。
運用に合わせて選ぶといいでしょう。
余談ですが、YouTube to Spoutは説明した通り「Spoutで映像が飛んでる」ので、もちろんResolumeでもGrandVJでもOBS Studioでもお好きなソフトで映像を拾えます。
以下の記事を参考に、VDJSpoutSenderのかわりに「◯youtube-spout」を拾うと考えてもらええれば構成は組めるかと思います。
SSSVJToolとの連携
また、同じくSainaさんが開発したSSSVJToolについてもこれもSpoutが常に飛んでるので、Senderを「SSS_Main output」にすると連携できます。
さすがにVirtualDJ+SSSVJToolとなるとゲーミングPCが必要にはなるのですが、汎用素材を複数扱いたいとか、Resolume買うお金はないけどリミックスやクラブのVJがしたいという人の選択肢にはなると思います。
ということでYouTube to SpoutとVirtual DJ等の連携についてでした。