VDJからレゾに移行したけど何をしたらええのかわからない…って人向けの記事。
やっぱりアニクラの現場ではVDJによるポン出しが主流なんですがResolumeを衝動で買っちゃったけど何しようか?
な人へ。
基本的に汎用重ねたりエフェクト使いたくないって人向けにこんな使い方ありますよー、な例をいくつか。(私がエフェクト多用派なのでもし私がリップシンクする派で原画出す人ならこんな感じにやります、みたいな感じです)
(正直な話他の人とResolumeの使い方被ったことないし王道の使い方はないので、ほんと自由です。)
1.汎用素材へのアクセスを容易に。
いちばん思いつく手段だと思います。
アニクラとかだとどうしても素材がない・・・かつリップシンクしないものに関しては出したくない・・・みたいなことあります。
VirtualDJだと素材ない・・・!もしくは素材検索してるときになんか出す!ってなったときに
どこかのデッキに読み込む、もしくはキーボードやMIDIマッピングでアクセス、ってなるんですけど
汎用素材を使い分けるなどが少しむずかしいです。
Resolumeであれば「お好きなカラムを選択しフェーダーを上げる/下げる」だけでいけるようになります。
レイヤー構成の組み方として
「VirtualDJの上に素材入れる」
これだとレイヤー構造は上が優先されるので素材ないときフェーダー上げる運用になります。
TransitionをAddにしてれば汎用素材入れたフェーダーをフルで上げてると汎用素材飛びますね。
もちろんそれもありなんですが
「VirtualDJの下の階層に素材入れる」ほうが個人的にはオススメです。
これだとVirtualDJのフェーダーを下げることで下の素材が染み出してくるみたいな感じになります。
感覚として見せたくないレイヤー(素材がないときのVirtualDJ)の上に布をかぶせるか?それとも素材そのものを下げるか?ですね。
やりやすいほうで!です。
個人的にはResolumeAvenueを使ってる場合は下の層がグループのような機能を果たすのでVirtualDJの「下」に素材入れる、が応用も効くしオススメです。素材重ねたものを
汎用素材として使ったりできます。
(上に入れると汎用に逃げるたびにいちいちフェーダーを調整しないとなりません)
後日VideoRouterによってレイヤーを上に飛ばすとかまとめてエフェクトみたいなのも紹介するのですが、それを考えても汎用は下のほうが使い勝手はいいです。(Group機能が使えるResolumeArenaならそんな心配はないですが)
2.逃げの手段をいろいろ用意できる。
画質が下がってる素材を投影するのが憚られる人もいますが、ResolumeはNDIが使えるので、VLC Media Player やNDI Scan Converter等にすぐにアクセスできます。
使い方については、以前の記事を参照して下さい。
VLCMediaPlayer等を入れる階層についてはVirtualDJと同階層でもいいですし上階層でもいいです。お好みで。設定しておくとVDJ⇔VLC⇔汎用素材みたいな切り替えがすぐできます。
やっぱり2Layer同時にVLCでURL読み込むと高確率で落ちるか動画が止まるので、ストリームを開く目的で使用するなら1Layerでいいと思います。
これやっておくとURLを素材として使うみたいな運用が可能です。あと「DJさんから動画もらったけどVirtualDJでなんか読み込めないんですけど・・・」みたいなときもVLC用意しとけばどっちかでは読めること多いです。VirtualDJがなんか変になったときのリカバリーにも使えます。
VLC等のモニタリングですが
NDIで動かすものが1つならNDI Studio Monitor、2つ以上ならOBS Studioがおすすめです。
3.静止画やジャケットをいい感じに動かせる、上下を切れる
エフェクトの一種になりますが、この素材動かないんだよなーなとき、Oppacityを変える+汎用重ねる+動かす、でいい感じにそのコンテンツが何者か?を示しながら動くVJできます。
VDJで画像を読み込んでResolumeでエフェクトして重ねるって感じですね。
あと、大人の事情により素材の上下を切りたい!ってときがあると思うんですよね。これもエフェクトである程度対処できます。
Cropや拡大等で上下隠すことができるので非常に便利です。
後日サンプルのエフェクト載せときます。
5.光らせる
サビ前とか切替時にに光らせる!と盛り上がると思います
簡単なのはエフェクトの「Strobo」を使う方法です。
もちろんSolidColorなど他のエフェクトでもいけます。
後日書きますがようは白素材を使ってかっこよくA⇔Bを切り替えたり、A⇔Bの切り替えを数拍単位で自動でやってくれるように細かく制御したりできます。
動画で見てもらったほうが早いかもですね。
こんなふうに2素材をいい感じに切り替えられます。二面投影できない会場で擬似的に2素材出したいときなんかに役に立つかと。
これについても詳しい設定と挙動は後で書きます。
7.ミキサー化
やっぱり映像ミキサーって高いです。最低ラインでも数万円します。
ResolumeだとゲームキャプチャーやNDIを使って他の人の画面取り込めるので有識者であればLANケーブルだけでミキサーみたいな運用が可能です。
ゲームキャプチャを使った方法は以前紹介したのでそちらを参考にして下さい。
NDIについては後日検証次第記事を書きます。
ってことでアニクラで私は原画を出したい!って人向けの使い方でした。
具体的なコンポジションできるまで(現場で実用できる下準備)の流れを復習してみます。このコンポジションが正解ってわけではないですが、初期装備、かつVirtualDJでのプレイが中心、と想定。
1.使いたいVJ素材を選定、エンコードする。
使いたいVJ素材を選定し、フォルダ等にまとめます。
.mp4とか.movであればそのまま読めるのですが、エンコードしておくと動作軽くなりますし安定性が増します。
Resolumeの場合、DXVエンコードが軽いです。予めResolumeAlleyなどで変換し、あればSSD(本体でも外付けでも)内に素材を置きます。
Alleyによるエンコード法は以下を参照して下さい。(なお、DXV形式は他のVJソフトでは読めないのでエンコード前のデータは残しといて下さい)
ここでポイントですが、外付けSSDを使う場合でも本体から読めるVJ素材は必ず一つは設定しておいて下さい。(HDD接触不良などのトラブルに備えて)
ドラッグアンドドロップで素材を下の何層かに読み込みます。
必要に応じてサムネイルを更新しておくとどれがどの素材だか分かりやすいので便利です。
2.VirtualDJ等をSpout経由でResolumeに読み込む。
以下の手順を参照してVirtualDJ→Resolumeに動画が飛ぶようにして下さい。
だいたい汎用動画の上とかに来ると思います。
3.VLCを設定する。
VLCはオプションみたいなものですが、Wi-Fi環境あるようなところだと真価を発揮する+Resolumeだと簡易に使えるので、結構恩恵受けられるかと。
個人的にはVirtualDJの横に置くのがオススメです。
(上に置くとVLCが再生し終わりで一瞬切れたとき下のVirtualDJが一瞬映るため)
カットトランジション(一気に切り替えたい場合)なら初期設定でいいですが、ふわっと切り替えたいときは「Show Layer Transition Controls」を出し、Tバーを上げるといいです。
4.原画を崩さない系エフェクトを設定する
Cropなどの原画を崩さない系エフェクトを入れたいときは原画より上に入れます。
ただし、このエフェクトはエフェクトがあるレイヤーより下すべてに作用します。
VirtualDJのレイヤーのみに作用させたい場合は一工夫。
エフェクトの入っているVideoRouterのInputをLayers Belowから特定のレイヤーのみにしましょう。
実際の運用時はLayer3を下げ、「VideoRouterでLayer3を拾ってエフェクトをかけたもの」であるLayer4のフェーダーを上げ下げする感じになります。
イメージとしてはLayer3の像をLayer4に流し、そこで処理して外に出す感じですね。
くわしくはVideoRouterの回を参照して下さい。
5.フラッシュやロゴなどお好みで。
フラッシュやロゴなどを上に入れます。
素材ないときにロゴとか出しとくといい感じになるかと思います。
こんな感じでコンポジション作れます。
実際のプレイですが、このコンポジションだと
・素材ある!バリバリ素材出したい!→Layer3を上げてそれより上のレイヤーをすべて下げる
・素材ない・・・ちょっとまって・・・→Layer1&2を上げてそれより上のレイヤーをすべて上げる、VDJに素材乗ったらLayer3または4を上げる
・素材の字幕が邪魔Orリップシンクが間に合わない!→Layer4を歌詞切り取りエフェクトにしLayer3を下ろしLayer4だけ上げる
・素材が静止画で動かない・・・→Layer3またはLayer4を8割程度にして汎用素材と混ぜる
・素材をURLから読みたい→Layer3をVLCにして乗ったら上げる、素材あるよになったらVDJに戻す
・カッコよく切り替えたい→Layer5を上げてフラッシュしながらVirtualDJ操作!もしくはロングミックスの部分でLayer3を下げて汎用素材出す
みたいな感じのことができます。MIDIコンにマッピングしておけばResolumeの画面開くこともないので、いつもどおりのプレイにいろんな機能つけられると思います。
VDJからの移行等で原画やリップシンクにこだわるような方はぜひ試してみて下さい。
Remix等のアプローチについては後日別記事で書きます。
(2020/07/17時点 いまはVLCでURLは読めません。