ごーぐる部-「ゼロ(円)から始めるVJ生活」

初級者でWindowsなアニソンVJが自分なりにいろいろ書いた備忘録。Resolume/RekordboxLyric/OBSVJ等の記事が多めだと思います。

オーガナイザーとVJの打ち合わせで聞いときたいことまとめ(機器/端子/設営関係)

心理的なことではなく完全にハードウェアなことなので、こちらで書きます。

 

イベントの打ち合わせ、ギャラとか、入り時間とかのソフトウェア的なことはもちろん重要、ですけどVJの場合、ハードウェアが重要です。

 

端子が合わない・・・ケーブルの長さが足りない・・・そもそも投影機器がない・・・等結構珍しくないんですよね。

 

ようはベテランのVJさんで機材それなりに持ってる人であれば代替機器も持っている可能性もある・・・のですが特に地方だとそうとは限らず・・・ってことで。最悪、打ち合わせがうまく行ってないと現場に来たけど投影ができない・・・ってことあると思うのでそんな悲しみに誰も合わないようにするため、打ち合わせに必要な内容をまとめてみました。(実際過去に投影できない危機に瀕したことは私の歴で3回もありました。現場でのみなさんの機転もあり、どうにか乗り切りましたが・・・)

 

1.端子は何ですか?

最重要項目です。端子が合わないと変換器が必要になりますが、VJさんが全員変換器を持ってるかというとそうではないです。ここのやり取り失敗すると最悪詰みます。

 

東京の方の箱だとVJブースがあってそこにHDMI挿せばいける、ところも多いですが、地方だとそうもいきません。

 

また、ミキサーや伝送距離によっては黄色端子(コンポジット)が利になることもあります。

 

端子の名前分からん…って人は写真に撮ってやり取りするといいと思います。

 

VJで使われる端子は主に5つです(主観)。

HDMI、コンポジット(RCA)、D-sub、S-Video、SDI

(DVIとかもあるけど割愛)

 

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HDMI。主流です。だいたいのPCに端子があります。映像がきれいで接続も楽ですが15m以上になるとHDMIリピーターが必要だったり、もっと長い距離だとケーブルが高価になりがちです。ミキサーが最低価格で7万クラス(V-02HD)から、で高いです。

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↑D-Sub。たまにあります。一世代前のPCとかデスクトップとかに端子あったりします。変換端子はそんな高くないです。ケーブルが太い、曲がりにくいので取り回しはやや苦戦します。

 

 

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↑コンポジット。RCAとか黄色とか呼ばれることもあります。画質はかなり劣りますが箱によっては現役、取り回しが楽です。V-4などの普及してるミキサーに挿せるのと長いケーブルが安く養生テープでも落ちにくいので重宝します。

 

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↑S-Video。PCからつなぐことはあまりないですが箱持ちのスキャンコンバーターからつながってたりします。

解像度は悪いですが長距離伝送ができます。ケーブルの値段、画質ともにコンポジットとD-subの間くらい。

 

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↑SDI。プロの世界では使われてるらしい・・・けどそもそも対応してる変換器・ミキサーがかなり高価。かなり長距離の映像伝送が可能。アマチュアのVJではまず使わないと思いますが、箱での長距離伝達したいときは選択肢です。

 

あとは前のブログ執筆した時点ではD-subはあんまないと思ってましたが今までで2件ありました。

 

↓詳しくは私の過去記事か、

ino2408m-pinv.hatenadiary.jp

 

 

↓このページを見せてやり取りするといいでしょう。

 

 

https://www.officedaytime.com/tips/videoconnectors.html

 

2.端子のオスメス

これもマジで重要。これが原因で投影できない!ってことも可能性としてありそうでした。

 

パターンとしては3つで、

1.プロジェクターに直接つなぐ場合

2.店持ちのスキャンコンバータ/セレクター/ミキサーにつなぐ場合

3.ケーブルが伸びている場合

 

1.2.なら店側の端子はメス、3.ならオスになります。

 

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↑上がスキャンコンバータで下がスイッチャー。こういうところにつなぐ環境も多いです。あるところはかなり親切だと思います。

 

特に複数投影機器ある場合は2.が多いと思いますがたまに3.もあるのでよく確認しましょう。

 

過去に打ち合わせミスでD-sub変換端子のHDMIオス-D-subメス(箱側端子メス)を持って行って焦ったことありました。

 

そのときはオーガナイザーさんがD-subのケーブル持ってたので助かりましたが、下見のときに見てもらう/見に行く/行ったことある人に聴くに越したことはないですね。

 

3.箱持ち端子または投影機器までの距離

忘れがちですがこれも重要。私これ聞き忘れてケーブルの長さが足りなくなって映像投影できない危険性あったのでほんと大事です。(ダウンスキャンコンバータを持っていっていた+PAの方がコンポジットの延長持ってたのでどうにかなりました)特にHDMIの場合、15mとかになると信号が低下する可能性もあるのでリピーターなどの機器が必要になることもあります。あと特にプロジェクターなどはその場でブースから繋ぐことがあるので、ときに20-30mレベルのケーブルが必要になることもあります。そうなると一般の店ではまず調達できなかったり、コンポジットでの接続が視野に入ったりすると思うので、必要なケーブルの長さは下見のときに聞いとくか測っといてください。

あと、箱の構造が一切わからないときは、私の場合は2m、5m、10mのケーブル全部持ってきますが、結構重いです。なので、必要なケーブルが最低限になり、かつ繋げないようなことがない長さを指示しましょう。

 

4.電源までの距離と口数/必要な口数

一般的なVJの場合、人数分のPCの電源、ミキサーの電源、(人によってはハードディスクやコントローラーの電源)が必要になります。分岐タップ等も持ってる人は持ってますが、もしオーガナイザーさん側で用意するとか箱にある場合は、必要な口数のやり取りは必要です。また、特にふだんVJつかないような箱では、コンセントまでの距離が非常に遠いこともあります。そうなると延長コードが必要になるので、ブースから近くまでのコンセントの距離も事前に共有しとくといいでしょう。場合によってはドラムが必要になることもあります。

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5.共演VJの手持ち機器

これも必要に応じて。特に2人体制のときや交代のときミキサーがあると便利なのですが、取り回しや費用、使いたい機能等の関係でV-4やcrossfourなどのコンポジットの機器を使うことも多いです。また、逆にV-02HDやV-1HDからコンポジットにつなぐこともあります。そうなるとダウンスキャンコンバータHDMI→コンポジット)、アップスキャンコンバータ(コンポジット→HDMI)などが必要になることもあるので、誰がどの機器を持ってるかの把握はとても重要です。ミキサーはVJ機器の中でも取り分け高価(HDMI機器だと7万以上、コンポジットでも2万以上)で、みんながみんなミキサーを持ってるわけではないので、ミキサー誰も持ってない場合は2人連携が不可だったり、交代時に青い画面になったり、PCが落ちたらリカバリーのために時間頂いたりすることもあるのはご勘弁を。あとは切り替えに時間のかからないけど映像を混ぜられないATEM Miniなどの配信向けスイッチャーなんかで代用することもあります。

 

あと複数の投影機器に投影する場合、HDMIスプリッターが必要だったり、プロジェクターがそもそもない場合はプロジェクター必要だったり。ケーブルや分岐タップも重いので誰が持ってくるか決めとくとかなり楽です。

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↑V-4。コンポジットとS-Videoしか挿せませんが、機能の充実度から重宝する場面も多く一部の現場ではまだまだ現役です。PCから繋ぐにはダウンスキャンコンバータが必要です。

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↑V-1HD。値段が値段(10万円以上)なので持っているVJさんは限られます。

 

6.Wi-Fiの有無

VJさんによっては調べものとか素材調達にWi-Fi使うことあります。あとTwitterを表示するソフト(n2witter)やRekordboxLyricなどでも必須になってくるので、Wi-Fi使えるよ!って場合は伝えとくと大抵箱のWi-Fiのほうが快適に使えるのでVJさん喜ぶと思います。

注意しなければならないのが

1.店側のWi-Fi機器が古いとき

2.お客さんにもWi-Fiを開放してるとき

3.箱に電波が届きにくいとき

ですね。

1.だとテザリングの方が早い…とか2.だと混雑してて遅い…3.だと手持ちルーターが使えない…みたいな感じです。

 

特に箱が地下だったりWi-Fiルーター手持ちでないとなるとインターネットが一切使えなくなるので、一部の技術や素材が使えない!なんてことは結構あります。この辺はオーガナイザーさんにも理解いただきたいところです。

人によっては箱持ちのWi-FiがないところでのVJをお断りしてるパターンもあるので、よく確認しておくといいと思います。

 

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Wi-Fiルーター。契約に月額かかるので契約してる人は限られます。補助的にスマホテザリングを使うVJさんもいますがWi-Fiがあったほうが楽な場面は多いです

RekordBoxLyricやn2witterなど使うなら必須です

 

uinyan.com

 

7.(プロジェクター増設したい場合)

①プロジェクター置き場

②スクリーンを貼っていいかどうか、壁までの距離

③プロジェクターと電源の距離

④ケーブルのルート、脚立などのレンタルについて

①箱によってはプロジェクターないことや増設できそうな場所があることがあります。そうなると置き場が大事です。置き場によってはプロジェクターと壁面をまっすぐにできないので、斜め補正が必要になります。この斜め補正ですが、横補正は基本的にEPSONの最近の機種くらいしかついてません。ってなると手持ちのプロジェクターで投影するときどうしても台形になることは珍しくないです。

なので横補正がついてるプロジェクターを買うのが一番ですがみんながみんな持ってるわけでもないので、確認しておいてください。

②あと、スクリーンまでの距離。投影の大きさと必要なスクリーンのサイズがこれで決まります。プロジェクターの機種名あらかじめ聞いておけば各サイトで計算できるので、参考にすると良いと思います。

theaterhouse.co.jp

あと箱によっては装飾とか壁紙の強い弱いもあるのでスクリーンも貼っていいかどうかは聞いた方がいいと思います。

③プロジェクターと電源の距離、これ結構忘れがちですが重要です。プロジェクター置き場はブースと違って他の機器がないことがほとんどで周囲から電源取れないので、延長ケーブルの結構長いやつが必須になります。

④ケーブルのルート→梁とかフックとかあればそこ通せます。床を通すと養生が複雑だったり、踏むことによるトラブルもあるので、できれば天井通せるといいですね。また、天井に通す場合、脚立や机など足場として使うことになりますがこれらを借りれるかどうかも聞いとくといいと思います。

 

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www.epson.jp

 

参考までに横補正はレアな機能です

 

 

8.当日の連携スタイル

これも聞いとくといいです。主に交代(DJさんごととかに交代)、連携(ミキサーなどである方が出したり重ねたり)、複数面出し(片方がアーティスト、片方がアニメ映像など)いろんなスタイルがありますし、スタイルによって必要な機器や人員、あとはVJソフトの設定が違う場合があります。なのでここも主催者側とVJで打ち合わせしとくといいでしょう。タイムテーブルにも関わってきます。

 

9.入り時間

上記を踏まえ、特にプロジェクター持ち込みある場合や変換端子多い場合は入り時間1時間だとギリギリになることもあるので可能であれば1時間半-2時間前とかにしていただけると助かります。HDMI挿すだけ系なら15分もあれば設営できますが、プロジェクター置いてスクリーン貼って台形補正してスプリッターから分岐…VJブースはテーブルから、ってなると1時間で時間足りないこともあります。設営が複雑であるほど時間かかるので、入り時間、オープン時間等については「設備にあわせて」調整すると安心です。

 

10.(追記)VJ卓の広さと高さ

箱によってはVJブースないので机を使って作ることがあります。機材によっては乗り切らないことがあったりすることがあるので、機材多い人はテーブル写真撮ったりして共有しとくといいと思います。

VJさんが複数いる場合は、機材どのくらい持っていくか?とかミキサーなどの共有機材どうするか?も相談しておくといいと思います。

あと机や台の高さも重要です。やりやすい姿勢になるように必要に応じて台や椅子などを使いましょう。

 

11.(追記)プロジェクター輝度チェック

箱によってはプロジェクターの輝度や劣化が重要です。

どうしても音系の設備に比べて映像系の設備の優先度低くなることは予算の関係からも仕方ないので、場合によっては箱にプロジェクターあっても持ち込んだほうがいい場合も多いです。

この辺は照明の入れ方によっても変わってくるので、VJさんが下見に出れない場合でもオーガナイザーさんやスタッフさんのPCを繋いでVJソフトでなくてもいいので何かしら投影してスマホ等で録画してみるとかなり安心です。

プロジェクター持ってない場合でも、設定次第で輝度を上げられたり、照明落としたり、布などで近くの照明を隠したりで調整できる可能性もあるので特にあんまりVJつくイベントが多くない箱では可能であれば一回電源をつけて確認してもらうといいでしょう。

 

 

 

ってことで、思いつく限りのことを挙げてみました。

 

やっぱりトラブルあると焦る!ので事前確認は必須ですね…

 

ってことでまとめ。↓長いって人はここ読んでもらえれば

1.ケーブル(接続端子と長さ)や電源、VJブースについては箱と確認。下見の際はメジャーを持っていく

2.前イベントやったときのオーガナイザーやVJさんに連絡取れれば必要なケーブルや機材を確認しておく

3.プロジェクター/箱持ちのスキャンコンバータ/ケーブルなどの接続端子や型番は写真に撮ってやり取りするとよい

4.会場がもし地理的に近かったり他のイベントで行く用事があればVJさんも下見する

5.VJ全員が長いケーブル、変換器、横補正可能プロジェクター、ミキサー等を持ってるとは限らないし箱にあるとも限らないことは理解しておく

 

今までそういうことは幸い無かったですが、当日機材を担いできたのに投影できない…のでは本当に主催者側にもDJVJにもお客さんにも悲しみしかないので、打ち合わせでいろいろ確認しておきましょう。あと、事前にこのあたり打ち合わせしておくと荷物も減らせてかなり楽なので、メリットは大きいです。

 

ということで、思いつきで並べていったので不足あるかもですが打ち合わせ内容についてでした。