※かなり個人の意見が入ってますのでご了承ください
結構いろんな人から聞かれることも多いのでプロジェクターの記事を書きます。
はじめに
都内の会場などでアニクラ専門の会場であればモニターもしくはプロジェクターが常設されていることも増えてきたのですが、地方のライブハウスやクラブで会場がアニソン専門じゃない場合・スタジオアニクラをやる場合などはVJやイベント側でプロジェクターを用意する必要があります。
(以前よりはプロジェクターを常設してくださる会場が増えたのですが、だからこそプロジェクターを個人所有していないというVJさんも割合増えてきたと思います。)
特に機種選定において想定した機能が使えない・・・設置に手間取る・・・ということも珍しくなく、実はかなり機種選定に失敗しやすい要素がいろいろあります。
なので、まとめてみることにしました。
今回の想定として
・いろんな会場でVJやるけどプロジェクターがない会場もあり1台買って持っておきたい
・近くの会場でアニクラやりたいけど映像機器がないのでイベント側で持っておきたい
・個人経営レベル・キャパシティ100人以内くらいの小さめの会場にて何かしらプロジェクターを1台購入して常設したい
くらいのケースを想定しています。(映像が投影できればいいくらいのお話)
プロや商業・プロジェクションマッピングを伴う場合などはまた概念が変わってきますのでご了承ください。
①最重要項目:縦横台形補正
プロジェクターを持ち込むことを想定する場合、一番大事な項目は間違いなくこの台形補正関連です。
近年のプロジェクターでは割と標準で搭載されている機能ではあるんですが、中古を買う場合や安価でマイナーなメーカーのプロジェクターでは意外と搭載されていないことも多く、搭載していないと結構な確率で現地で詰みます。
というのはそもそもがプロジェクターは正面設置を前提としているため机に置くか天井に吊るという想定で設計されています。
(基本的に机置きや天吊りで使う用でしてVJにつかうものは理想の位置に天吊り設備か置き場があることが前提な設計とも言えます)
下図のように設置すると一番キレイに見えるので叶うならそうしたいところです。

しかしながら、クラブにおいてプロジェクターの理想設置位置に安定した柱や梁があることはレアケースです。フロアでDJの正面に机を置くことも邪魔になるので非現実的。
そもそもそこから投影するとお客さんに遮られて映像が見えなくなってしまいます。
プロジェクター置き場があるケースもありますがプロジェクター置き場がある会場であればかなりの確率で常設のプロジェクターがあるわけでして、多くは以下のような投影の位置取りになります。

よくあるパターンとしては
・スピーカー・棚・脚立などの上にプロジェクターを置く
・鎖などをを使って天井の配管や梁から吊るす
ことが多く、いずれにせよスクリーンの中央から真正面に都合の良いスペースがあることはかなりまれです。
また、DJの正面からプロジェクターを天吊り投影すると光源をそのまま見ることになりプレイ中に非常に眩しく、DJの視力に関わることもあります。
(プロジェクターの画質を考えると正面投影は理想ですが・・・)
会場の構造によってはこの配置がデフォルトのこともありますが、可能であれば斜めから投影してあげたほうがDJさんの目には優しいでしょう。

補正しきれなければ映像が歪むことになるのですが、特にPVMVなど具体的な映像やDJロゴなどを使う現場では本来の形にならないのはかなり問題となります。
つまり、台形補正機能がないとかなり調整に手間取るかプロジェクターを購入しても特定の会場では使用ができないということになりえます。
なので、台形補正、とりわけ横方向の台形補正ができることはクラブやライブでVJを行う際には非常に重要です。
で、ここからが重要な話で
横補正ができるプロジェクターは意外にも限られています。


最近の機種は横補正できるものも増えましたが、価格.comで調べるとこの記事を執筆した時点で掲載されているプロジェクター455機種中のうち補正がついているものは299機種くらいまでに減ります。
具体的に言うと、
・EPSON製のある程度の時期以降の機種(HDMI普及期の2010年頃~)
・ほかメーカーの比較的最近の機種(BENQとか)
・中華メーカーなどの安価の機種であればスペックに縦横台形補正と書いてあるもの(価格帯としては1万5000円以上クラス)
このあたりが狙い目かなと思います。
②クイックコーナーについて
台形補正の便利な機能のひとつで、クイックコーナーというものがあります。
投影面の四隅のマーカーを直角にして合わせるという大変便利な補正法です。


実際やってみるとわかるのですがクイックコーナーがないものでダイヤルなどで台形補正をして長方形に投影するのは結構難しく、限られた時間で設営しなければならないケースでは手間取ると設営の時間が押してしまうことがあります。
常設のプロジェクターであれば特定の角度に調整していれば大丈夫ですが、持ち込みの場合は置く場所もさまざまなのであったほうが良い機能であるのは間違いないです。
クイックコーナーは主にEPSONの機種に搭載されていますが、最近のASUS、Funlogyの機種などにも似た機能があるみたいです。


③投影距離について
多くのプロジェクターは何メートルでどのくらいの大きさで投影できる的なことが書いてあります。
通常のプロジェクターのほか、短焦点のものもあり大きく投影できたり、明るく投影できるのが特徴です。
クラブで壁に投影するってなると規模感にもよりますが、結果として100インチ前後にすることが感覚として多いかなと思います。
なので各メーカーが出してるスペックから100インチで投影するにはどんぐらいの距離が必要か?を見てみるといいかもしれません。
④輝度について(ルーメン表記に気をつけろ)
輝度をあらわすルーメン表記ですが、かなり問題のある単位です。
・プロジェクター内のLEDライトの明るさを示している数字で、映像処理やプロジェクター内での反射・減弱などを考慮していない
・各メーカーにより基準がまちまち
というあんまり良くない規格です。
なので、1万円以下の中華プロジェクターを買ってなんかこの機種16000lmみたいだよ!
勝ったぜ!ってのはなりません。
企業からしたら「有利な条件で表記する」それはそうです。
なので、実際に投影されたレビュー写真を見て決めるといいと思います。
また、使うクラブや時間帯・窓の有無などによっても必要なルーメン数は変わります。
夜や地下の会場であればそこまで輝度はいらないんですが、昼の明るい会場でのイベントで使用する場合が多いなどのときは輝度が高いものを選ばないと映像が見えなくなってしまいます。
昼に使う傾向がある人は表記ルーメンがより高いものを買うことをおすすめします。
EPSONの場合は単位がルーメンでありますが使用シーンによる目安があるので以下のサイトを参考に見てみてください。
ちなみに単位としてANSIルーメンというものがあり、こちらは比較的ちゃんとした規格です。注意としてANSIルーメンとルーメンは名前は似てますが計測方法も異なり全く別物です。(普及はしてませんが・・・)
ルーメンは光源に対してですがANSIルーメンは実際に同条件下で投影された面での輝度を比較しているのでメーカーをまたいだ比較が可能です。

〇〇ルーメン=△△ANSIルーメンというように単純な比較はできませんが、
A社の200ANSIルーメンがB社の2000ルーメンより明るいということも結構あるそうです。
まとめると
・A社の1000ルーメンとB社の10000ルーメンは前者のほうが明るい場合がある。単純に比較できない(測定方法が違うため)
・ANSIがつくルーメンは低く表記される傾向にあるが200ANSIルーメンでも2000ルーメン表記プロジェクターより明るいということがある
・ANSI同士は比較可能
・日当たりのいい会場でデイイベやる場合は高めの輝度が必要
・数値だけじゃなく実際に投影してみた人の動画や画像を見て決めるのがいいかも
といったところです。
⑤解像度
一応解像度についても。投影したい面の大きさにもよりますがプロジェクターではモニターよりは解像度の低さは目立ちにくいです。
・アニソンVJの場合、プレゼンテーションのように文字を表記するのがメインじゃない(スタッフクレジットとかで文字が荒いと目立ちますが文字の視認性が重要とは限らない)
・プロジェクターはモニターよりも原理上ぼやける傾向にあり、その映像感に慣れている人が多い
一応規格についてまとめておきます

感覚として
XGA(1024×768)・WXGA(1280×800)くらい以上であれば画質の悪さが目立たないかなというのが個人的な感覚です。
(VGA/480pクラスはさすがに目立ちます)
一応解像度いいのがいい!って方もいると思うので最高の数値としてどのくらいあればいいかもお伝えしますが、
フルHD(1920×1080)を超えると特殊な機器が必要となるので実質ほとんどの人が対応できない
と考えるといいと思います。
VJミキサーとして多く使われているV-1HDが対応している最高解像度がフルHD(1080p、1920×1080)、と考えるとこれを超える画質はあってもアマチュアの現場では活かせないことが多いのが2025時点での現状です。

実際、4Kとかで投影したいとなると
・対応したVJミキサー
・対応したPC
・対応したHDMIケーブル
・対応した高解像度映像素材
が全部揃っていないとならずプロジェクターだけで実現するのは難しいかと思います。
参考までに普及しているVJミキサーであるV-1HDの対応している解像度は1080P(フルHD)が最高なため、それ以上の解像度で投影するのはかなり非現実的です。
最近は安い4Kのミキサーも出ましたが、Roland機で揃えるとなると100万超します。

↑4Kのミキサー。130万円。個人所有の人は見たことないです・・・
脱線しましたが、結論から申し上げると4Kのプロジェクターを活かすにはそれ以外の機器で莫大なお金がかかってしまうため、プロジェクターの解像度は現状フルHD(1080P)あれば十分かな?と個人的に思っています。
⑥置き型超単焦点もアリ
持ち込みで車移動が多い場合、超短焦点プロジェクターも選択肢のひとつです。


ステージの前後が狭い会場だとなかなかに設置が難しいんですが、
・ライブハウスなどステージが広い会場
・ブース自体を前後に動かせる会場
・DJの後ろ以外に投影する場合
などは高所作業を伴わずテーブルや台ひとつで即設営できる強みがあります。
また、天井投影に比べ正面に配置できる可能性も非常に高いので映像も歪みにくく調整もすぐ終わるので非常に重宝します。車に1台積んでおけば会場のプロジェクターが急に使えなくなってもなんとかなる感。
通常のプロジェクターに比べてお客さんが映像を遮ってしまったりDJ中に眩しかったりすることも少ないのでよく使う会場で運用できそうなら置き型超単焦点を選択するのもいいでしょう。
こちらはHD対応機種はいいお値段しますがWXGA相当の機種の中古であれば意外にも高くありません。
ただし、特に超単焦点プロジェクターは小型化すると値段が高く安いものだと結構物理重量が重いです。
定番機種のひとつであるEB-685Wとかは物理重量が5.7kgと肩や腰に優しくない重さです。
なので、移動が車であるか、荷物を運搬できる体力があるかなども考慮に入れて機種選定するといいと思います。


⑦プロジェクターの市場について
プロジェクターはその性質上
1.機械に詳しくない一般人にとってはかなり飽きやすい
2.機械に詳しいガジェットオタクにとっては買い替えが頻繁に起きる
3.企業でまとめて購入しまとめて買い替えられることがある
という市場性質をもっており、状態の良いものが中古市場に回ってくる割合が高いです。また、企業などで購入したプロジェクターの買い替えなどによりオークションなどに安めのものが回ってきます。
そのため、「割と新品価格と中古価格に差が生じやすい」という特徴があり、メルカリやヤフオク、リサイクルショップなどでは安いものだと元の価格の1/3に満たない価格でそこそこいいメーカーの品が流れてきます。
ランプの使用時間など気になる点もありますが、特にこのEPSON/BENQあたりの有名メーカー品であれば管球もある可能性が高く、交換もわりとしやすい作りです。
(中華プロジェクターだと交換ランプに困ることも)
なので、中古に抵抗がない人であればEPSON等の有名メーカーの中古品を狙ってみるのが大きな選択肢となるかと思います。
(WXGA相当の機種なら2万円出せばお釣りがくるくらいの価格で買えます)

⑧もちろん中華プロジェクターにもいいやつがある
もちろん中華プロジェクターの中にもコスパがいい機器は複数存在しています。
気をつける点として
・上記のルーメン表記(極端にでかいものは怪しんでいい)
・台形補正(縦の台形補正に制限があったり横の台形補正ができなかったり)
・騒音
に関しては先駆者のレビューを参考にしてみてください。最近だと偽のレビューがAmazonとかにも乗ってるので注意です。
使ってるプロジェクターの紹介
参考として過去に持ってたり今所持しているものでVJ用に使ってる機種を紹介します。お金がないのでフルHDの機種は自宅用のBENQのプロジェクターしかなくほとんどがEPSONのXGAクラスです。
①EPSON EB-X12
あるイベント用に購入し、今は某会場に寄付したプロジェクターです。

購入時は価格中古で11000円程度。
HDMI端子もあり設営性も○。
初期状態で2800ルーメンくらい出るので使用時間が長くても割と映ってくれます。
解像度はXGA(1024×768)なので16:9で映像投影するとちょっと画質はよくないですが小さいスクリーンへの投影を想定しているのであまり解像度の悪さは目立たない。
(某イベントでQRコードが読めないとは言われました)
現在某会場のレギュラープロジェクターとして稼働していますが中古で購入してランプ交換もなしに毎晩動いてても壊れないことから非常に丈夫です。
ネックはアスペクト比のデフォルトが4:3の時代の頃の製品なので設定が変わりやすく毎回クイックコーナーを行わないと画面比が変になることくらいです。
②EPSON EH-TW400
購入時中古で9000円程度。現在持ち歩いてるプロジェクター。

結構よく見るのでスタンダードな機種の一つと思われます。(余談ですが職場にもありますしヨ○バシの店頭でもいちばんよく見る機種な気がします)
WXGAに対応しており上記のEB-X12より若干画質がいいらしいです。
物理重量も見た目の割には軽く、扱いやすい大きさ。
デザインも黒ベースで劣化がわかりにくいしクラブに置いても違和感が少ないです。
あとの仕様は結構EB-X12とほとんど一緒な気がします。
普及機ゆえにメルカリとかヤフオクにあれば安く買えるかも。予算2万で中古OKなら、かなり無難になんでもこなせて持ち運びも全然しやすいかと思います。
③EPSON EB-1771W

購入時中古で22000円程度。
持ち歩きのプロジェクターなんか買いたいなといってコンパクトさとEPSONへの信頼で買った機種。WXGA対応&3000ルーメンとハイスペック・・・
なのですが
VJ用にはおすすめしません。
というのもPCとかと同じでプロジェクターも小型になるほど排熱が苦手になりまして、この機種は終了後の熱がやばくて6時間ぶっ続けで稼働させるのが心配になりました。
3-4回ほどイベントで使用したらファンが故障。爆音が出るようになりDJに支障をきたすのでハードオフ行きとなりました。
物理重量が軽いのはいいものの重心も安定せず落としそうになることも・・・
一般のプロジェクターとしてはいいですが長時間稼働に弱い感はありVJ用には個人的にはおすすめできないです。
④EPSON EB-485WT

業務用超単焦点プロジェクターらしいです。
個人で1台所有しており某箱に1台中古で転売したプロジェクターです(転売による利益は得てないから許して・・・)要は2回購入した履歴があります。
2020年ころに楽天市場に大量の在庫が出回り、当時は1台目楽天市場で8980円、2台目メルカリで5980円と破格で購入できました。
今買うとメルカリでも9000円-20000円程度。
超単焦点プロジェクターなのにクイックコーナーができるバケモン機種です。解像度もWXGA出るし超単焦点なので明るい。
ネックはそもそもこのプロジェクターは持ち歩きを想定してないので5.7kgと重くてデカいこと。業務用にしてはコンパクトという謳い文句もありますがデカいので持っていくのは億劫です。
あと、端子がわかりくくやや刺しにくい位置にあります。左のフタをあけてそこに刺す感じです。
⑤CANON LV-8235UST

中古で安かったのとプロジェクターをEPSONで統一するとリモコンの混信が心配なので買った1台。某会場に寄付しました。
購入時5980円くらい。
古い機種なので横補正はなくEPSONよりはやや機能は抑えめですが大きさはちょっと小さいです。
(といっても普通のプロジェクターよりは重いです)
画質もWXGAに対応。
とりあえずはVJに使ってるプロジェクターの紹介でした。
クイックコーナーの使用感とか丈夫さでEPSONを多く選んでる気はします。(回し者ではありません)
結論
わからんって人は「EPSONでクイックコーナーがついてると書いてある機種」を買うのがおすすめになります。(予算に合わせて中古・新品・解像度などお選びください)
理由は以下。
・プロジェクターを常設できない現場において横補正およびクイックコーナーが非常に強力
・他のメーカーに比べ横の台形補正をいち早く導入したので解像度にこだわらなければ安い
・EPSONであれば操作を心得ているVJさんが多い
・交換ランプが手に入りやすい
・中古で買いやすく売りやすい
また、これも個人的な感覚になるんですけど
新品の無名メーカー製品よりも中古の有名メーカー製品を買うほうがいいかもと思っています。
特に有名ブランドじゃない中華製品は選定の際にスペックを正しく把握するのが難しく、現代だと偽のレビューも多いので失敗しやすいです。他のVJさんやガジェット好きの友達がこれいいよ!っていう機種が具体的にあればそれを真似て買うのはありですが、わたしとしても知らないメーカーのプロジェクターを買うのはギャンブルに近い感覚があります。(ギャンブルなのでいい機種を引き当てると脳汁が出るというのも事実)
アマチュアVJレベルの視点ではあり偏りもありますが、プロジェクター購入の参考になれば幸いです。